秋保ワイナリーのブドウのツルと、天然回帰の出会いから生まれたもの

毎年2月、仙台市の秋保温泉郷にある秋保ワイナリーでは、ブドウの剪定作業が行われます。良いブドウを育てるために欠かせない作業ですが、切り落とされたツルの行き先は、そのほとんどが「廃棄」でした。

その量は、年間およそ1.5トン。

私たちは、このツルに出会い、リードディフューザーのリード(香りを吸い上げるスティック)として生まれ変わらせるプロジェクトを始めました。

「このツルを、何かに使えないか」…

そこから始まったのが、リードディフューザー AKIUプロジェクトです。

この記事では、秋保ワイナリーとの出会いから今に至るまでの物語をお伝えします。

はじまりは、秋保ワイナリーとの出会いでした

仙台市中心部から車で30分ほどに位置する秋保(あきう)。

温泉地として知られるこの地に、東日本大震災後の地域活性化を目的として生まれたのが、秋保ワイナリーです。

代表の浜出がワイナリーを営む毛利さんと再会したのは、2021年のことでした。

「大量のツルが毎年廃棄されている。本当にもったいないと思っていた」

毛利さんのその一言が、このプロジェクトのはじまりでした。

香りを軸に地域資源を活かすものづくりをしてきた私たちにとって、地域と連携しながら形にしていく活動として、ぜひチャレンジしたいものでした。

葡萄のツルは、しなやかで個性的な形を持つ天然素材。切り落とされたあとも、その命を形として残せないか。リードディフューザーのリード(香りを吸い上げるスティック)として使うアイデアは、そこから生まれました。

軽トラ4往復。手探りではじまった循環のかたち

アイデアが生まれたとして、実際に商品化するまでの道のりは、思っていた以上に大変なものでした。

まず課題になったのが、大量のツルをどうやって運び、どこで保管するか。

最初の年、浜出と当時のスタッフの二人はレンタルした軽トラックで秋保と石巻を4往復してツルを運びました。大量のツルを収容できる保管場所もなく、途方に暮れていたところに手を差し伸べてくれたのが、石巻市北上町の「イシノマキ・ファーム」でした。

農業を通じた就労支援に取り組む同団体が、ツルの保管スペースを提供してくれただけでなく、半年間かけた乾燥作業や商品化に向けた加工工程まで一緒に担ってくれました。

秋保と石巻…ふたつの地域が協力し合うことで、はじめて商品が形になったのです。

→ 「廃棄されるはずだったブドウのツルが、部屋の香りになるまで」(工程の詳細はこちら

大切にしたかったのは、工程の一つひとつに人の手が関わっていることです。機械で大量生産するのではなく、秋保の土地で育った素材を、東北の人の手で仕上げる。効率だけを考えれば別の方法もあったかもしれませんが、この手触り感こそが、天然回帰のものづくりの根幹にあるものでした。

114人の「応援」が、背中を押してくれました

アイデアはあっても、本当にこのプロダクトを届けられるのか。その確信が持てないまま、私たちはクラウドファンディングプラットフォーム「Makuake」で挑戦することを決めました。

結果として、114名の方々にご支援いただきました。大きな数字ではないかもしれません。でも、114人の方が「このプロダクトを手にしたい」と思ってくださったことは、私たちにとって何よりの後押しでした。

そして、最初の商品の発送日。私たちはこの日を3月11日に決めました。東日本大震災の日です。秋保という土地で生まれたプロダクトだからこそ、この日に届けたい。復興の先にある「新しい価値」を、香りとともにお届けしたい。そんな想いを込めました。

ふるさと名品オブザイヤー、地方創生賞

プロジェクトの立ち上げから時を経て、リードディフューザーAKIUは「ふるさと名品オブザイヤー」の地方創生賞に入賞しました。

この賞は、地域の将来を支える名品とその市場開拓を支援する表彰制度です。多くの応募の中から選ばれたことは、廃棄素材をアップサイクルするという取り組みと、地域のプレーヤーとの協業モデルが評価されたものだと受け止めています。 

そしてこの受賞は、天然回帰の 力だけで受賞できたわけではありません。ツルを提供してくださる秋保ワイナリー、手仕事を支えてくれるイシノマキファーム、そして最初の114人の応援購入者の方々。秋保から始まったこの循環に関わるすべての人がいてこそ、いただけた賞だと思っています。

今も続く、毎年2月の恒例行事 

プロジェクト2年目からは、ツルの収穫作業にボランティアの方々も参加してくれるようになりました。

毎年2月、秋保ワイナリーのブドウ畑に集まり、剪定されたツルを集め、選別し、運び出す。寒い冬の朝に手を動かしながら、ワイナリーの方とも顔を合わせる。いつのまにか、この作業自体がひとつの「恒例行事」になっています。

一度きりのプロジェクトではなく、毎年繰り返される循環であること。それが、天然回帰のものづくりにとって大切な意味を持っています。廃棄されるはずだったツルが、毎年リードに生まれ変わり、誰かの部屋に香りを届ける。この流れが途切れないことが、私たちの目指す「循環」の姿です。

循環をデザインする。それが天然回帰のものづくりです

秋保の土壌で育ったブドウのツルが、香りを届けるリードになる。その工程に、地域の人の手が加わり、一本一本が丁寧に仕上がる。使い終わったら、また次の年のツルが届く。

この循環をデザインすること。それが、天然回帰のブランドとしての在り方です。

リードディフューザーAKIUは、天然精油100%の芳香液と、秋保ワイナリーのブドウのツルから生まれたリードでお届けしています。まずは10mlのお試しサイズから、この香りと物語を体験してみてください。

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